Testamentary executor
遺言執行者
遺言執行は、通常、遺言執行者あるいは相続人がします。遺言執行者の記載がないと、不動産を特定の人に遺贈するための登記をするためには、相続人全員の実印および印鑑証明書が必要となるので、音信のない推定相続人を探し出す必要があります。
しかし、遺言執行者がいれば、遺言執行者の実印と印鑑証明書で足ります。これが、遺贈を受けた者にとって、遺言の中に遺言執行者の指定が必要な理由です。
遺言執行者がいないと、遺産分割に支障がでます
遺言執行者とは?
遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第 3者に委託することが出来ます。
遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなくてはいけません。これは管理処分権の対象や責任範囲を明確にするためのものです。そして遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。これにより、遺言執行者は相続人の実印をもらわなくても、単独で、不動産の名義変更(相続登記)をすることができます。
遺言執行者を選ぶメリット
例えば、両親・子供がなく、腹違いの兄弟で音信不通の兄弟がいる方がいるとします。そして、遺言で不動産を相続人以外の人に遺贈することにしました。但し、遺言書の中には遺言執行者が定められいない場合を考えます。
この場合、推定相続人は兄弟になります。遺言執行は、多くの場合、相続人が直接します。ところが、遺言執行者の記載がないと、不動産を特定の人に遺贈するための登記をするために、相続人全員の実印および印鑑証明書が必要となります。よって、音信不通の兄弟姉妹を探す必要があります。これが大変な作業になります。戸籍を収集し、戸籍の付票を収集し、住所を探し当て、連絡しなければなりません。
ところが、遺言執行者がいれば、遺言執行者の実印と印鑑証明書で足ります。これが、遺贈を受けた者にとって、遺言の中に遺言執行者の指定が必要な理由です。
そのほかにも、相続人の廃除や子の認知、遺産分割の際の立会いなど、遺言執行者を選任すると手続がスムーズに運びます。
通常遺言執行者には、専門家を指定することがほとんどです。